ー river ー

どのくらい信じてるのか

尋ねはしないけど

わざとらしい力で抱くような

時は過ぎた

 

夕方、太陽が沈む直前の薄暗い部屋の中でぼんやりと聴いた時の泣きたくなるような、懐かしいようなあの感覚。

こんなに心地よく無気力にさせてくれる曲には滅多にお目にかかれません。

 

 

CHAGE and ASKAの曲はとにかく壮大。

特に1989年にリリースされた23枚目のシングル「WALK」から1996年リリースの38枚目のシングル「river」までの勢いは凄まじかったですね。

発売される曲には例外なく心に残るメロディラインがいたるところに散りばめられており、飲み込まれてしまうほど圧倒的なスケール感まで兼ね備えているというCHAGE and ASKA無敵の時代。

 

 

1996年にリリースされた「river」は、13thアルバム[SEE YA]に収録された「水の部屋」にも通ずるような日本的な情緒がたっぷり感じられる曲調のバラードです。

レトロ感のあるMVの映像も、これ以上ないくらい曲の雰囲気にピッタリ。

 

子供の頃に駆け抜けた古き良き昭和の時代を思い出させてくれるちょっと粗めの画質が身もだえしてしまうほどノスタルジックで、MVを見ながら1曲まるまる聴き終えた後は完全に放心状態…。

まるでタイムマシンに乗って緩やかな時間の河をさかのぼっているかのような、夢のような時間に浸れる珠玉の一曲です。

 

YouTube【[MV] river / CHAGE and ASKA】

 

 

 

感情移入しやすい、具体的と抽象的の間あたりで表現した絶妙な歌詞が多いCHAGE and ASKA。

実際に歌と同じ経験はしていなかったとしても、自分を歌の登場人物に重ねてしまう。

 

 

歌詞に関して特に感じるのは、冒頭の1フレーズ、2フレーズくらいまでで一気に引き込まれる印象的な言い回しが多いこと。

歌唱力やメロディが素晴らしいのは言うに及ばずだけど、詩集として読んだだけでも感動できる深みのある歌詞こそがCHAGE and ASKAの真骨頂なのかもなんて思ったりもします。

ー no no darlin' ー

土曜の夜は朝まで君を抱く

窓の外 過ぎて行く 世の中でふたり動かずに

 

ー WALK ー

眠れないままに朝の光を仰いだ

入れ変わるばかりの気持ちに 身体を絞られながら

 

ーSons and Daughters 〜それより僕が伝えたいのはー

雨にも風にも 負けない心で

涙も見せずに生きていくのは哀しい

 

ー PRIDE ー

思うようには いかないもんだな

呟きながら 階段を登る

 

ー 水の部屋 ー

扉を開けたら 雨の中の自転車

古い写真に見つめられたら 動けない

 

ー 砂時計のくびれた場所 ー

闇に溺れそうな 星に包まれて

僕はあなたに溺れた

 

 

CHAGE and ASKAは「SAY YES」「YAH YAH YAH」「めぐり逢い」「HEART」「if」の5曲のミリオンヒット以外にも、数えきれないほどのヒットソングを送り出したアーティスト。

riverはオリコンチャートで最高2位という輝きを放ちながら、あまりにも眩しい名曲群の光に照らされていることで見えにくくなってしまった感はあるかもしれないですね💧

 

 

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