hosizora

©写真AC S-shipさん

ふと見上げると空には満天の星空。

そんな美しい光景を眺めていると、見た目のロマンチックさと宇宙の壮大さに飲み込まれてしまいそうなくらいワクワクしてしまいます!

だって、太陽系から1番近い恒星を含む星座、ケンタウルス座でも4.2光年も離れてるんですよ?

秒速30万kmの光の速さで4.2年かかるって…まず人類はたどり着けません。

冬の星座は強い北風が星の光を瞬かせて星がキラキラと輝いているように見えるので、1年の中で最も華やかな星座が見える季節。

今回はそんな夢とロマンと神秘的な美しさをもった冬の星座についてまとめてみました!

①「冬の大三角形」と「冬のダイヤモンド(大六角形)」

冬の大三角形

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冬の星座を見るうえでまず初めに確認しておきたいのが「冬の大三角形」です!

  • オリオン座のベテルギウス
  • こいぬ座のプロキオン
  • おおいぬ座のシリウス

この3つの明るい1等星はすべて、地球から見た最も明るい恒星トップ10に入るほどの輝きを持っています。

そのため冬の大三角形は明るい市街地でも簡単に見つけられるほどはっきりしているので、冬の星座を探すときのちょうどいい目印にもなってくれるんですね。

星が良く見えるタイミングであれば、冬の大三角形の中を上下に流れる天の川を見ることも出来ます!

本来は冬の大三角形の中には「いっかくじゅう座」がすっぽりと内側におさまってるんですが、この星座は一番明るい星でも4等星の暗い星座なので普通に夜空を見るだけではほとんど見えません…。

冬のダイヤモンド(大六角形)

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冬の代表的な星座を象徴する6つの1等星をぐるっと取り囲むようにしてできているのが「冬のダイヤモンド」です!

  • おおいぬ座のシリウス
  • こいぬ座のプロキオン
  • ふたご座のポルックス
  • ぎょしゃ座のカペラ
  • おうし座のアルデバラン
  • オリオン座のリゲル

シリウスとプロキオンは冬の大三角形にも含まれている星ですね。

そして冬の大三角形の残りひとつ、オリオン座のベテルギウスは冬のダイヤモンドのちょうど中方付近に位置しています。

オリオン座は見つけやすい星座なので、ベテルギウスを基準にすると他の星座も簡単に見つけられるかもしれませんね!

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②オリオン座

orion

主要な恒星の数
主要な恒星の名称 ベテルギウス、リゲル
面積の大きさ 26位(594平方度)
神話の題材 海の神ポセイドンの息子、狩人「オーリーオーン」

(1) オリオン座とは?

ギリシャ神話に登場する狩人「オーリーオーン」の姿をかたどったオリオン座は88星座の中で最も明るく、形の整った星座として人気があります。

オリオン座は2つの1等星5つの2等星を持ち、豪華な輝きを放っているので星座をあまり知らない人でも見つけやすい星座の一つ。

そのオリオン座を象徴する2つの1等星が、「ベテルギウス」と「リゲル」です!

(2) ベテルギウス - Betelgeuse

ベテルギウスは "脇の下" という意味を持つ星で、オリオン座でもちょうど脇の下に当たる場所にあります。

視等級(地球からの見た目の明るさ)は0.42。

地球からの距離は497光年。

宇宙で8番目の明るさを持つこのベテルギウスは "赤色超巨星" と呼ばれる赤い星で、直径は太陽の約1,000倍、質量は約20倍もあります!

赤みを帯びて見えるので温度が高いように感じるかもしれませんが温度は太陽の半分、約3,000℃くらいしかないんですね。

寿命が近づいているベテルギウスは活動が不安定になっているために、太陽の直径の500倍~1,000倍の大きさに風船のように膨らんだりしぼんだりしています。

そのため10年に1度くらいのタイミングで1等級以下まで暗くなることも。

おおいぬ座の「シリウス」、こいぬ座の「プロキオン」と共に形成される "冬の大三角形" も有名です!

(3) リゲル - Rigel

オリオン座のもう一つの1等星「リゲル」は "" の意味を持つ青白い星で、全天で7番目の明るさを誇っています。

視等級は0.13で、地球からの距離は863光年。

ベテルギウスよりも視等級が低いことからも、リゲルの方が見た目の明るさは上だということがわかります。

リゲルは太陽と比べて直径は79倍、質量は23倍です。

直径が太陽の1,000倍近くにもなるベテルギウスよりはだいぶ小さいですけど、その反面リゲルの表面温度は太陽の2倍

温度が高いので赤色ではなく青白い光を放っているんですね。

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③おおいぬ座

ooinu

主要な恒星の数
主要な恒星の名称 シリウス
面積の大きさ 43位(380平方度)
神話の題材 「オリオンが飼っていた猟犬」または「アルテミスの侍女の名犬レラプス(ライラプス)」

(1) おおいぬ座とは?

冬の日が暮れて間もないころ、南の空でひときわ明るい1等星「シリウス」を口元で輝かせているのがおおいぬ座です。

おおいぬ座は、オリオン座のすぐ近くにあるので比較的さがしやすい星座の一つ。

おおいぬ座を見つけるポイントとしては、南の空のギラギラと輝くシリウスからさらに南にある3つの2等星を「への字型」に結ぶとイメージがしやすいと思います!

(2) シリウス - Sirius

シリウスは視等級-1.4、普通の1等星より6倍も明るい星で、全88星座を作っている恒星の中で最も明るい星です。

シリウスは明るい星の多い冬の星座の中でも特に強い輝きを放っているので、都会の夜空でも簡単に見つけることができるほどなんです!

しかし、シリウスが宇宙で最も明るい星というわけではありません。

シリウスは北半球から見える星としては地球からわずか8.6光年の距離で、最も近い場所にある星なので輝いて見えるんですね。

ちなみに地球から肉眼で見える恒星としてはシリウスよりも近い位置にあるのが、約4.2光年先のケンタウルス座α星です。

しかし、ケンタウルス座α星は沖縄まで南下しないと見ることができないので、北半球から見える星としてはシリウスが1番明るいということになります!

シリウスはその色と輝きから世界中で親しまれ、その国や地域ごとに様々な名前で呼ばれてきた星で、中国ではシリウスのギラギラした輝きをオオカミの目に例え、「天狼」と呼んでいたそうです。

④こいぬ座

koinu

主要な恒星の数
主要な恒星の名称 プロキオン
面積の大きさ 71位(183平方度)
神話の題材 豊穣とぶどう酒と酩酊の神デュオニーソスからブドウとワインの製法を教わったイーカリオスの飼い犬マイラ

(1) こいぬ座とは?

こいぬ座という名前が示すように小さな星座で、主要な恒星の数も1等星の「プロキオン」と3等星の「ゴメイサ」の2つしかありません。

目をひく星はこの2つだけですが、プロキオンはベテルギウスやシリウスと共に冬の大三角形を作っていることもあり、その小ささのわりにこいぬ座は冬の夜空では意外と存在感のある星座だと思います!

(2) プロキオン - Procyon

プロキオンは薄黄色の1等星でシリウスと比較すると一回り大きく、やや低温。

視等級は0.37、地球から11.46光年の距離なので太陽系からはかなり近い距離にある恒星の一つですね。

プロキオンには、「犬の前に」とか「犬の先駆」というような意味があるらしいです。

この「犬」っていうのはおおいぬ座の1等星シリウスのことを指しています。

シリウスよりも一足先に東の空に昇る星なので「プロキオン」と名付けられたということなんですね。

古代エジプトではプロキオンが夜空に上がるかどうかでナイル川の増水の季節を判断していたので、古代エジプト人にとっては重要な意味を持つ星だったんですね。

⑤ふたご座

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主要な恒星の数 17
主要な恒星の名称 カストル、ポルックス
面積の大きさ 30位(514平方度)
神話の題材 兄で人間のカストル、弟で不死身のポルックス、双子の兄弟

(1) ふたご座とは?

冬に陽が落ちて間もなく、空を見上げると明るい星が2つ並んで輝いているのが見えます。

この強い輝きを持った星はギリシャ神話に登場する双子、カストルポルックスを形どった「ふたご座」のそれぞれの額の部分にあたります。

少し暗めで白っぽい星が兄のカストル、オレンジ色がかって明るめなのが弟のポルックスです。

ふたご座で目立つのはカストルとポルックスだけですが、どちらも明るさが同じくらいの1等星なのでこの2つの星だけでもふたご座を確認するのに充分と言えるほどかもしれません!

ちなみにギリシャ神話では、スパルタ王の子である兄のカストルは人間、最高神ゼウスの子である弟のポルックスは不死身とされています。

戦で命を落としたカストルを追って死ぬこともできないポルックスの願いを聞き入れたゼウスによって二人仲良く星座になった…

だいぶざっくりと説明するとそんなストーリーです。

双子なのに父親が違うのはちょっとよくわからないですけど(笑)。

(2) カストル - Castor

カストルは視等級が1.58となっており、ポルックスより暗いけどα星ということになっています。

3組の連星からなる6重連星で、口径8cmくらいの望遠鏡であれば一番明るい2つの星を観測することが可能です。

地球からの距離は51光年。

表面温度が太陽よりもかなり高めの約9,000℃もあるので青白く輝いて見えるんですね。

しぶんぎ座流星群(りゅう座流星群)」「ペルセウス座流星群」と並んで三大流星群に数えられる「ふたご座流星群」はこのカストル付近が放射点になっています。

(3) ポルックス - Pollux

冬のダイヤモンドを構成する星の一つで、直径は太陽の9倍、質量は1.8倍。

視等級は1.14、1等星の中で17番目に明るい星なのがふたご座のβ星であるポルックスです。

ポルックスはカストルより明るい星ですが、表面温度が4,400℃と少し低めなのでオレンジ色がかった輝きを放っています。

ふたご座で1番明るい星なのにβ星とされているのは、ポルックスがギリシャ神話で弟にあたる星だからなんでしょうか?

詳しい理由はちょっとわかりませんでした…。

ポルックスは地球からの距離は34光年。

カストルが51光年なのであまり差が無く感じるかもしれませんが、太陽から1番近いケンタウルス座の恒星「プロキシマ・ケンタウリ」までが4.2光年ですから実際にはめちゃめちゃ差があります。

2006年にはポルックスの周りを約590日の周期で公転する、木星の約1.5倍の質量を持った惑星が発見され、「テスティマス」と命名されました。

⑥ぎょしゃ座

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主要な恒星の数
主要な恒星の名称 カペラ
面積の大きさ 21位(657平方度)
神話の題材 「鍛冶の神ヘーパイストスと戦の女神アテーナーの息子でありアテナイ王でもあるエレクトニオス」または「旅人・商人の神ヘルメースの息子ミュルティロス」

(1) ぎょしゃ座とは?

黄色がかった色の1等星カペラを右上の角にして、5角形に並んだ5個の星で形作られているのが「ぎょしゃ座」です。

将棋の駒のような5角形をしているぎょしゃ座の中にあるカペラは、正確には0.1等星なのでとても明るい星。

カペラを見つけることができればその周りの2等星、3等星をうまく繋げることができるので、都会の夜空でも簡単に見つけられる星座でもあります。

この星座は冬の天の川の中にあるので月明りの無い時期、空気が澄んで夜空が本当に美しい場所であればぎょしゃ座の中心付近をかすかに流れる天の川を見ることができるかもしれません!

ぎょしゃ座にはM36、M37、M38という3つの美しい星団があり、どれも明るいので空が暗い場所であれば双眼鏡で眺めることができます。

この中でM37だけは5角形の外にある星団で、3つの星団の中で最も若くて青い星が多く、最も明るいのが特徴。

直径20~25光年の範囲に150~500もの星が集まっていると言われています。

(2) カペラ - Capella

ぎょしゃ座のα星である1等星のカペラは「小さな牝山羊」という意味を持った太陽に似て黄色い色の星で、全天で6番目の明るさを持っています。

カペラの現在の視等級は0.08ですが、およそ16万年前~21万年前までは視等級が-1.8であり全天で一番明るい星でした。

カペラは明るいので1つの星に見えますが、実は2つの恒星から成る連星が2組の4重連星です。

黄色の星がペアになったものと、赤色矮星同士がペアになったものが共通の重心の周囲をまわりあっていますが残念ながら見ることはできません…。

カペラは1等星の中で「天の北極」つまり最も北に位置する星です!

南緯が44度(ニュージーランド南端、アルゼンチン、チリなど)より南では地平線の上に昇ることはありません。

反対に北緯44度(北海道北部、フランス、カナダなど)より北では地平線に沈むことがなく、太陽の光に飲み込まれることがなければ日中でも一年中見ることができるんですね。

⑦牡牛(おうし)座

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主要な恒星の数
主要な恒星の名称 アルデバラン
面積の大きさ 17位(797平方度)
神話の題材 ゼウスが恋をした人間エウローペーをさらうために身を変えた白い牡牛

(1) 牡牛座とは?

黄道十二星座の一つとしても広く知られている「牡牛座」は比較的に形がイメージしやすい星座だと思います。

α星である1等星のアルデバラン以外に2等星を2つ持つ牡牛座。

牡牛の顔に相当する小さなV字型の並びをした星の中で、オレンジ色に強く輝いているのがアルデバランです。

V字の先端、角を表した星がオリオン座に挑みかかるような向きになっているので見つけやすい星座でもあるかもしれません。

牡牛座には「プレヤデス星団」「ヒヤデス星団」「M1カニ星雲」などの有名な天体が多いことでも有名な星座です!

(2) プレヤデス星団 - Pleiades

プレヤデス星団」は牡牛座の方の位置に見える天体の集まり。

肉眼でも確認できる5~7つの明るい恒星を持つことから、ギリシャ神話では「プレヤデスの7姉妹」として語られています。

日本でもよく聞くことのあるすばる」というのはこのプレヤデス星団のことです。

英語のように思ってましたけど、外来語ではなく古来からのれっきとした日本語だったんですね!

あの清少納言が枕草子の中で「星はすばる」と書いており、漢字だと「統る」。

すばるというのは、もともと古代の人が頭や手を飾る装飾品として使用していた玉飾りのことで、プレヤデス星団が糸で結ばれたように集まっていることから日本ではすばると呼ばれるようになったそうです。

ちなみにプレヤデス星団はその形状から「羽子板星」と呼ばれることもあるみたいです。

(3) ヒアデス星団 - Hyades

アルデバランの付近にV字型に並んだ3等星クラスの星の集まりが「ヒアデス星団」です。

ヒアデス星団はアルデバランのすぐそばにあるように見えますが、地球からアルデバランまでの距離は約65光年、ヒアデス星団までの距離は約150年。

たまたま重なってしまったために近くにあるように見えるだけなので、アルデバランはヒアデス星団に属してはいません。

ヒアデス星団は牡牛座の中ではプレヤデス星団と同じくらい目立つ星団です。

しかし秒速42kmの速さで「いっかくじゅう座」の方向にそろって移動しているので、いずれは衝突することになるのかもしれません。

(4) M1かに星雲 - Crab Nebula

地球から遥か7,200光年のところにある「M1かに星雲」は1,054年に大爆発し、砕け散った星の残骸です。

口径10cm程度の双眼鏡であれば見ることができるので、佐渡島のような形状をしていることもわかると思います。

爆発した時は日本は鎌倉時代

その時の様子は当時の歌人である藤原定家の日記「明月記」の中にも書かれており、爆発の明るさで木星ほどの明るさに見えたことがわかっています。

爆発した星の残骸は今も秒速1,300kmのスピードで飛び散っているっていうんだからすごいですね!

(5) アルデバラン - Aldebaran

牡牛座の目の位置で、赤く明るく輝いているのが牡牛座の1等星アルデバランです!

冬のダイヤモンドを構成する星の一つで、太陽系惑星で最大である木星を数倍した質量の惑星を持っています。

地球からアルデバランまでの距離は約65.3光年

惑星探査機「パイオニア10号」がアルデバランの方角に向かって飛行していますが、アルデバランに最接近するのはおよそ200万年後らしいです…。

視等級は0.86で、全天の中で14番目の明るさを誇るアルデバラン。

直径は太陽の約50倍、質量は太陽の25倍もある星ですがかなり年老いていて不安定な状態で、宇宙にガスをまき散らしながら膨張し続けています。

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