【目次】
①朝もやの中を…
朝もやの中をゆっくりと歩いている…そんな雰囲気を漂わせた、幻想的で美しいイントロ。現実と非現実の間をさまよっているかのような浮遊感のあるメロディが「WALK」のイメージを決定づけていると言っても言い過ぎじゃないんじゃないかな。
「WALK」は1989年にリリースされた彼らの23枚目のシングルで、同年リリースのアルバム「PRIDE」に収録された曲。1992年には24枚目のシングル「LOVE SONG」と共に再リリースされ、SUBARU「VIVIO」のCMソングに起用されました。
ちなみに1989年リリース時のオリコンランキングではWALK、LOVE SONGどちらも最高は20位でしたが、1992年の再リリース時ではWALKは3位、LOVE SONGは1位に輝いています。
YouTube【[MV] WALK / CHAGE and ASKA】
②テレビから流れてくるサビに…
毎朝、学校へ行く準備をしながら、テレビから流れてくる「WALK」のサビに、鳥肌が立つほど感動していた中学時代。でも正直に言うと、初めてイントロから通して聴いた時、サビ以外の歌詞は当時の私には少し難解で、サビ以外のパートをすぐに好きになることはなかったような気がする。
もともとチャゲアスの曲の歌詞は抽象的な表現が多いけれど、WALKもそんな感じじゃないですか?特に2番の歌詞は想像力を働かせないと全く意味がわからないと思う。
『確かに見えるチャンスをネガに押し込む』
『未来(あした)が値札を外してそっとそっと寄り添いかけてきた』
このあたりのフレーズは、サッカーとゲームに明け暮れていた中学生の頭にはクエスチョンマークの嵐。
色んな経験をしながら大人になっていくにつれ、想像力が豊かになってきて、自分なりの解釈で楽しめるようになったわけなんですけどね。
③単に音程が正確とか、声量があるとか…
なんと言っても「WALK」の魅力を語る上で欠かすことができないのは、ASKAさんの歌唱力。単に音程が正確とか、声量があるといった次元では語れない、まさに魂のボーカル。
物憂げなAメロ、感情を爆発させるサビ、優しく語りかけるCメロ。それぞれのパートで、声の表情を巧みに使い分け、聞く人の感情を揺さぶってくる。
『圧巻』という言い回しがこれほどしっくりくるボーカルは日本でも数えるほどしかいないはず。
このWALKを始めとして、人生で1曲作れるか作れないかレベルの名曲をいくつも世に送り出しているチャゲアス。当たり前のように聞いてきたから、今の方がじっくりと噛みしめて聞けているような気がするなあ。