①夕暮れ時、茜色に染まった…

夕暮れ時、茜色に染まった空を見上げると、レミオロメンの「茜空」が無性に聴きたくなった。

この曲って春の歌なんだけど、季節が違っても、茜色の空を見た瞬間にふっと心に浮かぶんだよなぁ。

たぶん歌詞では朝焼けのことを歌ってると思うんだけど、不思議なくらい夕焼けにもぴったりハマるんだよね。曲の切なさと空の色が、すごくよく響き合う感じ。

 

この曲と出会ったのは、2007年のJRAのCMだった。公式のミュージックビデオを観たのはだいぶ後だったんだけど、なぜか今もCMで“ふと”流れてきたときの方が印象に残ってる。映像と一緒にスッと心に入り込んできて、あのときの空気感ごと覚えてる気がする。

2002年のドコモのCMで流れてたMr.Childrenの「Any」とか、ポカリスエットのCM曲なんかもそう。ああいうCMって、映像と音楽が一緒に記憶に焼きつくから、ふとした瞬間に思い出して切なくなる。懐かしさというより、「あの瞬間に戻りたい」みたいな感覚なのかも。

 

CMってたった15秒とか30秒しかないけど、その短さの中にギュッと詰まってるから、印象が強く残るんだろうな。気づかないうちに、日常の中に入り込んでくる音楽って、なんだか特別に思える。

思い返してみると、そういう曲ほど、ずっと心の中に残ってたりするんだよね…。

Youtube【レミオロメン - 茜空】

 


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②今が春でなくても、まるで桜並木の中を…

どうしてこんなに心が惹きつけられるんだろう。

メロディは優しくて、少しだけ切なさを含んでいて。今が春でなくても、まるで桜並木の中を春風に吹かれながら歩いているような、そんなノスタルジックな気分になってしまう。

 

「春の匂い」「桜並木」「四月の虫の唄」「痩せた月夜」「茜空」…。

歌詞の中には、日本の自然や季節を感じる言葉がたくさんちりばめられていて、それだけで情景がふわっと浮かんでくる。音楽を聴いてるのに、まるで一編の詩を読んでいるような感覚になる。

「桜」とか「虫の唄」みたいな表現も、どこか俳句のようで美しい。季節と感情がさりげなくリンクしていて、“和”の情緒が静かに流れているような気がする。

 

「夜と朝の狭間」や「うっすら窓の外は白んでいった」…

時間の描き方もとても繊細で、どこか物悲しいのに、それがまた心に沁みる。

中でも特に印象に残っているのが、「春の匂いで目が覚める」という一行。ごく普通の朝を描いた短いフレーズなのに、メロディに乗ると驚くほどの力がある。一瞬で、その朝が「特別な記憶」に変わってしまうような、不思議な感覚。

 

春は出会いと別れが入り混じる季節。この曲が持つ、明るさの中ににじむ切なさは、そんな春の空気とぴったり重なる。

何も特別なことが起きなくても、心の奥にそっと触れてくるような優しさがこの曲にはあるのかも。


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③春の歌だけど、不思議と…

「茜空」は春の歌。だけど、不思議と春以外の季節や時間にもぴたりと寄り添ってくる。

たとえば、夏の夕焼けとか、真冬の夜明け前とか。静かで孤独な時間帯に、ふと聴きたくなることがある。どこか心細いけど、それでも前を向こうとして。そんな気持ちと、この曲が静かに重なる気がする。

 

それから、この曲が特別に思えるのって、やっぱり歌詞の力が大きいなと思う。

「夕べの月の一昨日の残りの 春の匂いで目が覚める」なんて、パッと読んだだけじゃちょっと不思議な言葉づかいなんだけど、意味がはっきりわからなくても、なぜか情景がスッと浮かんでくるのがすごい。

春の朝、まだ少し眠たいけど、空気が変わってるのに気づくような…ああいう感覚。

 

他にも「茜空に舞う花びらの中」とか「夜と朝の狭間で 始まりの孤独に染まろうと」とか。多くを語ってはいないのに、気づけばその景色の中に立っているような感覚になる。

ストーリーというより詩に近い歌詞。少し抽象的だからこそ、聴くたびに新しいことに気づいたり、気持ちがリンクしたりする。

一度で全部を理解できちゃう曲もいいけど、この曲は毎回違う顔を見せてくれるようなところがあって、だから何度でも聴きたくなるんだろうな。

たぶんこれからも春の匂いを感じたとき、あるいはふと空を見上げたとき、またこの曲を再生してるんだと思う。あの春の空をまた思い出せる気がして。

 

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