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福島県のいわき市にある石炭・化石館『ほるる』は、太古の世界で知的好奇心と交流することをコンセプトにしている博物館です。

ダイナミックな臨場感を感じる恐竜の標本の中には、いわき市内で1968年に発見された「フタバサウルス・スズキイ」の他にも、世界的に貴重でここでしか見ることができないものも。

また、常磐炭田での採掘の様子を再現した地下の広大な「模擬坑道」は、まるで当時の採掘現場にタイムスリップしたみたいに感じるほどリアルに再現されています!

というわけで今回は、地球の歴史やいわきの歴史を体感しながら楽しく学ぶことのできる『ほるる』に行ってきました!

エントランス【1F】

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エントランスの前に設置されている「フタバスズキリュウ」のブロンズ像です!

学名は『フタバサウルス・スズキイ』。

1968年当時、高校生だった鈴木直さんによっていわき市内で発見されたことからこの学名がつけられたそうです。

ちなみにフタバスズキリュウというのは日本国内だけで通じる和名のようなもの。

国際的に通用する学名はラテン語で表記する必要があるので、フタバサウルス・スズキイになったんですね!

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館内のエントランスには「フタバサウルス・スズキイ」の全身骨格が展示されています!

その後の化石、恐竜ブームのきっかけになったほど、恐竜の歴史において重要な発見と言われた貴重な標本です!

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上を見上げると「ニタリクジラ」が吊るされています!

ニタリクジラは体調13mほどのクジラで、イワシクジラに似ていることから「似たりクジラ」と名付けられたそうです。

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化石展示室【1F】

1Fの化石展示室には、世界的にも価値の高い化石をダイナミックに展示されています!

ここでしか見ることができない実物の恐竜の全身骨格復元の迫力に圧倒されると思いますよ!

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中央の首が長くて一番大きいのが、温暖な気候のジュラ紀に栄えた草食恐竜の「マメンチサウルス」。

首は長いけど頸椎の下にある骨で首を支えるような構造になっているので、ヘビのような動きはできなかったと言われてます。

右下で手を広げてる私の身長が178cmなので、どれくらいの大きさか大体イメージできるんじゃないでしょうか!?

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ティラノサウルスと同じくらいメジャーで人気の草食恐竜、トリケラトプスです。

基本的にティラノサウルスに捕食される存在だったと考えられているけど、大きなツノで天敵のティラノサウルスを貫いた化石も見つかっているので、本気になれば意外と強かったのかもしれません!

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右の大きい複製標本は、アメリカ大陸に生息し人類の誕生と同じ時期に絶滅した「エレモテリウム」です。

体調が6mにも達する地上性のナマケモノなので、「オオナマケモノ」とも呼ばれています。

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2Fからは窓ガラス越しに1Fの化石展示室を見下ろすことができます。

下から見上げる恐竜も迫力がありますけど、巨大な恐竜たちを上からの角度で見下ろした眺めも壮観です!

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学習・標本展示室【2F】

1Fの化石展示室からエレベーターで2Fに上がったすぐ先にある(階段でも上がれます)、「学習・標本展示室」。

  • 古生代、中生代、新生代の時代ごとのいわきの地層や、岩石のでき方
  • いわきでとれる鉱物と、鉱物の産地
  • 化石、石炭とは何か?どうやってできるのか?

実物やイラストでわかりやすく説明されているので、時間がたつのも忘れて見入ってしまいました!

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教室をイメージした空間になっていて、いわき市で発見された化石・鉱物や、地層の成り立ちなどについての貴重な標本がたくさん展示されています!

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  • 古生代(三葉虫時代)
  • 中生代(恐竜)
  • 中生代(海のハ虫類)
  • 中生代(魚類)
  • 新生代(石炭の森の時代)
  • 新生代(化石ゾウ・化石クジラ時代)

いわきに関連した生態や地層の変化について、時系列にまとめられています!

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最も有名な肉食恐竜、ティラノサウルスの歯です!

映画ではティラノサウルスが追いかけまわすシーンが印象的ですけど、手が短いので狩りには不向きで、死んだ恐竜を食べていたとも言われています。

歯には肉を効率よく食べるためにステーキナイフのようなギザギザが付いてるんです。

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石炭について展示されているコーナーです。

石炭とは、植物が地中に埋もれて、数千万年~3億年もの年月をかけて自然が作った炭のこと。

だから石炭は「植物の化石」の一つなんですね。

石炭とはなにか、残りの可採年数はどれくらいかなどについて、日本だけでなく世界の石炭の実物を見ながら知ることができますよ!

六坑園(ろっこうえん)

1976年まで採炭が行われていた、いわき地域で最後の炭礦(たんこう)です。

戦後に昭和天皇が巡幸して、坑内で働く作業員を直接激励したと言われている場所。

ちなみに、資料では「炭礦」と「炭鉱」どちらの良い方もあり、現在の官公庁では炭鉱で統一されてます。

石炭は金属じゃないってこともあって昔は、石へんの「炭礦」が主流だったみたいです。

 

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奥に見えるのが六坑園に通じるトンネルです!

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炭礦に降りるための「人車(じんしゃ)」と呼ばれる、木でできたジェットコースターような乗り物。

当時は地下450mにも及ぶ深さで作業をしていたそうですが、残念ながら今は塞がれています…。

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坑内へ出発する作業員の写真が掲示されていました。

熱気を帯びていた当時の炭礦の様子が伝わってくるような気がしますね。

立坑エレベーター・模擬坑道

実際に石炭を採掘していた当時の様子を再現した模擬坑道。

本当に地下600mまで降りているような錯覚をしてしまうほどエレベーターからリアルで、ビックリしてしまいました!

古い時代から順に各ステージに分けられた坑内では、採炭の状況の移り変わりを肌で感じ取ることができると思いますよ!

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こちらのエレベーターで模擬坑道へ…。

ただこのエレベーター、実際に坑内に降りているような臨場感が感じられるので、まだ小さい怖がりなお子さんがいらっしゃる場合は手を握っていてあげた方が良いかもしれません…。

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坑内の温度は17℃くらいで、夏は涼しく、冬は少し暖かく感じられるくらいかも。

かなり広い空間になっているのでゆっくり見て回ったら30分くらいかかると思います。

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まるで当時にタイムスリップしたかのようにリアルな作業風景です!

男性だけでなく女性まで上半身裸なのが作業環境の過酷さを物語っていますね…。

ちなみにこの画像の作業は太平洋戦争ころに行われていた「手積み採炭」と呼ばれるものです。

生活館

模擬坑道を抜けたところには、昭和10年頃の生活を復元した「生活館」があります。

いわき湯本の炭礦で働いていた人の様子だけでなく、いわき湯本温泉郷の歴史も展示されているので温泉好きな方は寄ってみることをおすすめします!

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共同炊事場や炭住(たんじゅう)の様子を再現したスペース。

炭住とは今で言う社宅のようなもので、炭鉱で働く人々とその家族のために会社が建てた住まいのことです。

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結婚して奥さんがいる坑夫は二坪程度の畳と戸棚しかない納屋に住み、独身の坑夫は四坪程度の大納屋に同居していたそうです。

それだけでもかなり劣悪な環境だと思いますけど、それに加えて過酷な労働とパワハラに耐えられなくなって逃げだす人もやっぱり多かったみたいです…。

お子さんの遊び場 「いわきっず もりもり」

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『ほるる』に隣接して建てられている「いわきっず もりもり」は、天候に左右されずに子供が遊ぶことのできる屋内の遊び場です。

保護者の同伴が必要ですが、無料で誰でも使用できるので小さいお子さんとの思い出作りに寄ってみるといいかもしれませんね!

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トランポリン、ボールプール、すべり台、トンネルなどの遊具がそろっています。

1F、2Fに分かれていて、そこそこの広さがあるのでお子さんから目を離さないように気を付けましょう!

5つ星レビュー

模擬坑道で人形が死角にいるのに気づかないで心臓が止まりそうになった度
生活館で写真を撮ったら掃除のおばちゃんが見切れたけどあんまり違和感なかった度
石だとわかっていても恐竜の糞の化石には顔を近づけられなかった度

施設情報と交通アクセス

名称 いわき市石炭・化石館 ほるる
所在地

〒972-8321 福島県いわき市常磐湯本町向田3-1

TEL 0246-42-3155
開館時間 9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日 第3火曜日(第3火曜日が祝日・振替休日の場合は翌日)、及び1月1日
入場料金

個人 … 660円  団体 … 590円 【一般】

個人 … 440円  団体 … 400円 【中・高・大学生】

個人 … 330円  団体 … 300円 【小学生】

※団体は20人以上。

※65歳以上のいわき在住者は無料。(住所、年齢の提示が必要)

※いわき市内在住または市内の学校に通う小・中・高校生は土日無料。(住所、在学の提示が必要)

駐車場 第一駐車場 : 大型8台、 普通車34台
第二駐車場 : 大型12台、普通車32台
交通アクセス 【車】 三郷IC(常磐自動車道で約1時間30分) いわき湯本IC → (一般道で約10分) ほるる
ホームページURL https://www.sekitankasekikan.or.jp/
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