【目次】
アルバム情報
- 発売年:1984年
- 収録アルバム:Heartbeat City(ハートビート・シティ)
- アルバム最高位:全英25位、全米3位
ザ・カーズの代表曲 "ユー・マイト・シンク"
ボーカルでギターのRic Ocasek(リック・オケイセック)、ボーカルでベースのBenjamin Orr(ベンジャミン・オール)。
2人のボーカルが曲によってリードボーカルを替え、1980年代の前半に数々のヒット曲を生み出したバンド、The Cars(カーズ)。
カーズは、1970年代後半にパンクロックブームが終わった頃に発生した音楽シーンであるニューウェイヴを代表するバンドの一つで、ギターとシンセサイザーを絶妙に融合させた曲で有名な人たち。
カーズの曲の中でも私が特に好きなのが、5thアルバムのハートビート・シティに収録されている彼らの代表曲の一つ "You Might Think(ユー・マイト・シンク)" 。
この曲はアメリカのパワーポップバンド、Weezer(ウィーザー)にカバーされて、2011年のピクサー映画『カーズ2』で使用されていたあの曲なので、海外のアニメが好きな方なら聴いたことがあるんじゃないでしょうか?
そしてこの曲でリードボーカルを担当しているリック・オケイセックは、そのウィーザーの1994年のデビューアルバムと、2001年の3rdアルバムのプロデュースもしているんですよね。
この2つのアルバムはウィーザーの中で私が最も好きなアルバムなので、プロデューサー名を後から知った時は妙に納得してしまいました(笑)。
- Hello Again - ハロー・アゲイン
- Looking For Love - ルッキン・フォー・ラヴ
- Magic - マジック
- Drive - ドライヴ
- Stranger Eyes - ストレンジャー・アイズ
- You Might Think - ユー・マイト・シンク
- It's Not The Night - イッツ・ノット・ザ・ナイト
- Why Can't I Have You - ホワイ・キャント・アイ・ハヴ・ユー
- I Refuse - アイ・リフューズ
- Heartbeat City - ハートビート・シティ
- Hello Again(Remix Version) - ハロー・アゲイン(リミックス・ヴァージョン)★
- Drive(Demo) - ドライヴ(デモ)★
- One More Time(Early Version of "Why Can't I Have You") - ワン・モア・タイム★
- Baby I Refuse(Early Version of "I Refuse") - ベイビー・アイ・リフューズ★
- Jacki(Early Version of "Heartbeat City") - ジャッキー★
- Breakaway(B-Side of "Why Can't I Have You") - ブレイクアウェイ★
- Tonight She Comes - トゥナイト・シー・カムズ★
(★エクスパンデッド・エディションのみの収録曲)
中毒性のあるメロディ
"ユー・マイト・シンク" はほんと何回聴いても飽きないんです。
たぶんコード、というかメロディ自体は基本的に最初から終わりまでずっと、大きく変化はしてないと思います。
それでも飽きるどころかまたすぐに聴きたくなるのは、バックにずっと流れている繰り返しのメロディがものすごくキャッチーで中毒性があるからなんですよね。
特に、イントロのシンセサイザー?キーボード?の旋律に、ギターが重なるところは何百回、何千回聴いても心が躍ります!
"ユー・マイト・シンク" は80年代の洋楽が大好きな自分にはドンピシャのポップでキャッチーで売れ線な曲。
歌っているのも、ロックな声のベンジャミン・オールではなく、どちらかというとコミカルなボーカルスタイルのリックだから、当時パワーポップやブリットポップを聴き漁っていた私にはなおさらツボにハマったんだと思います。
"ユー・マイト・シンク" は鬼ポップな曲だけど、2番サビ後のブリッジが終わった後、間奏のギターはちょっとロックを感じる部分。
イントロのシンセの旋律はそのままで、ギターの弾き方をロックっぽく変えて曲にアクセントをつけているこのアレンジが自分はすごく好きです。
第1回MTVの最優秀ビデオ賞を受賞
"ユー・マイト・シンク" のPVは、1984年の第1回MTVの最優秀ビデオ賞を受賞しています。
PVのストーリーは、リックがいろんな手段を使って女性に付きまとうというストーカーチックな内容。
ただ、その手段っていうのが、彼女の虫歯菌になったり、口紅を使おうとしたら回転しながらニュッと出てきたり、ハエになったり…
っていう感じで、しかもそんな描写なのにリックはサングラスをかけているという笑えるものなので狂気は全く感じません(笑)。
今見ると何にもすごいことはないように思うけど、当時は初めてPVでCGを使ったことが評価されたみたいです。
この時、他に最優秀ビデオ賞にノミネートされていた曲が結構スゴイ。
- マイケル・ジャクソン - "Thriller(スリラー)"
- シンディ・ローパー - "Girls Just Want to Have Fun(ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン)"
- ポリスの - "Every Breath You Take(見つめていたい)"
のちに名曲として歴史に名を刻むような超メジャー曲ばかりだったんですね。
ストーカーっぽいと言われることも
余談ですけど、"ユー・マイト・シンク" はPVや歌詞の内容から、ストーカーっぽい曲だと言われることも。
まぁ、そういう目で見たらそういう歌詞にも見えるかもしれないですけど…。
ストーカーの事件がニュースで取り上げられることが多くなった今の時代の影響が大きいかもしれませんね。
ちなみに、ポリスの "見つめていたい" とか、ダリル・ホール&ジョン・オーツの "プライベート・アイズ" もストーカーチックな歌詞って言っている記事をたまに見かけます。
"見つめていたい" に関しては浮遊感のある穏やかな曲調ということもあってか、自分はそんな感じはあんまり受けないですけど、"プライベート・アイズ" はそういう風に聴こえないこともないかも…。
「お前は逃げることはできない、俺の二つの目が探偵みたいにお前のことをいつも見ているんだ」
そこそこ狂気を感じるかもしれません(笑)。
"見つめていたい" も「君のやることなすこと全て見ているよ」みたいな歌詞なので、これも色眼鏡で見たら狂気的な歌詞に聴こえるかもしれないです。
悪意や偏見を持って日本語訳を見るからそんな風に感じてしまうってことなんでしょうね。