【目次】
アルバム情報
- 発売年:1991年
- 収録アルバム:Mighty Like a Rose(マイティ・ライク・ア・ローズ)
- アルバム最高位:全英5位、全米55位
ミスチルも影響を受けたコステロの音楽
日本では、映画『ノッティングヒルの恋人』の主題歌である "She" や、2002年に明石家さんま、キムタクのダブル主演で放送された『空から降る一億の星』の主題歌だった "Smile" などのバラードが有名かもしれないエルヴィス・コステロ。
もともとはパンクでポップな曲で注目を浴びてきたイギリスのアーティストです。
ちなみにMr.childrenの "シーソーゲーム" のMVと歌い方はコステロをオマージュしたものであり、わざとコステロに似せているとかなんとか…。
1997年のデビューアルバムからの20年間だけ見ても18枚ものアルバムを出しており、そのほとんどが母国イギリスでトップ10位内に入っています。
それだけでも、創作意欲が枯れることなく湧き出ている才能にあふれたミュージシャンなんだってことがわかります。
そんなコステロの曲の中で私が思い入れのある曲の一つが、ありきたりなポップソングとは違って一度聴いたらなかなかメロディーが頭から離れない曲、 "The Other Side of Summer(邦題:もう一つの夏)" です。
- The Other Side of Summer
- Hurry Down Doomsday
- How to Be Dumb
- All Grown Up
- Invasion Hit Parade
- Harpies Bizarre
- After the Fall
- Georgie and Her Rival
- So Like Candy
- Interlude: Couldn't Call It Unexpected No. 2
- Playboy to a Man
- Sweet Pear
- Broken
- Couldn't Call It Unexpected No. 4
鼻にかかった独特な歌声
エルヴィス・コステロってめちゃめちゃ鼻にかかっている感じのけっこう独特な声。
1回聴くと次聴いた時にはすぐにコステロだってわかると思います。
歌い方も個性がかなりあって、シャウトまではいってないかもしれないけど、絞り上げるような声で歌う瞬間があるんです。
この独特なコステロ唱法が好きでファンになっている方も多いと思うので、たぶんコステロの曲がどんなに上手くアレンジを加えられてカバーされたとしても、原曲を超えるほどの人気にはならないような気がします。
今回の曲 "The Other Side of Summer" はコステロのクセの強すぎる歌い方に加え、恥ずかしくなるくらいポップな曲。
キャッチーだけどかなりひねくれたメロディラインなので、この曲が好きになれる人はコステロワールドにどっぷり浸れる人かもしれないですね。
ビーチボーイズを意識
聴いたことがないくらい滑稽なイントロのベースからすでに一筋縄ではいかないポップソングの予感が漂うこの曲。
もともとは夏を司るレジェンドコーラスバンドであるビーチボーイズを意識して作られた曲なので、コーラスもなかなかに爽やかです。
曲の構成はスタンダードなポップソングとは少し違って、展開の仕方が面白いです。
Aメロ、Bメロ、サビといった感じではなく独特な流れで、各パートもプチ組曲な雰囲気で曲調がコロコロ変わるところも面白いと思います。
特に1番のさわやかビーチボーイズ風コーラスのサビが終わったあと、またAメロに戻るんではなくてちょっとマイナーな感じのパートになるところはとてもユニーク。
一辺倒なポップじゃないところが、飽きを感じることなく何度も何度も聴きたくなるポイントなのかもしれません。
歌詞はちょっと抽象的かも
コステロの書く歌詞ってもともとかなり難解な部分が多いです。
教養がある人が読む文学作品のようにすぐには理解できないような言い回しだったりします。
なのでその部分のニュアンスをどう捉えるかってのをいろいろ想像を巡らせながら聴くと、さらにコステロの深みにハマって抜け出せなくなるくらい好きになるかもしれないですね。
それにしてもこんなにポップな曲なのにPVは革ジャンにサングラス、髪はぼさぼさのロン毛って…。
声や曲だけじゃなくてこの辺のセンスもクセが強いかもしれない(笑)。