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アルバム情報

  • 発売年:1987年
  • 収録アルバム:孤独(Solitude Standing)
  • アルバム最高位:全英2位、全米11位

児童虐待をテーマにした "Luka"

社会的な問題をテーマにした曲が多いことで有名なアメリカ出身のシンガーソングライター、スザンヌ・ヴェガ。

最大のヒット曲はこのアルバムに収録されている "Luka(ルカ)" という曲。

"ルカ" は日本でも大きな問題になっている児童虐待が歌詞になっています。

男の子が、自分が虐待されている時の物音、傷を友達に隠そうとしている歌詞をかなり具体的に表現している曲です。

「もし、夜遅くにもめごとのような音が聞こえても何があったかは聞かないで」

「どうしてそんなことをするの?なんて聞いたら君もあの人に泣くまで叩かれるだけだよ」

こんな感じのやるせない内容だけどメロディは驚くほど軽やかでポップ。

それがかえって子供の純粋さが際立ってやるせなくなるような名曲であり、全米で3位になっています。

そしてもう1曲、私がスザンヌ・ヴェガのこのアルバムを初めて聴いた時に衝撃を受けたのが1曲目の "トムズ・ダイナー" でした。

Solitude Standing (孤独:ひとり) / Suzanne Vega(スザンヌ・ヴェガ)
created by Rinker

  1. Tom's Diner
  2. Luka
  3. Ironbound/Fancy Poultry
  4. In the Eye
  5. Night Vision
  6. Solitude Standing
  7. Calypso
  8. Language
  9. Gypsy
  10. Wooden Horse
  11. Tom's Diner (Reprise)
▼ Tom's Diner

▼ Luka

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初めて聴いた完全アカペラの曲

"トムズ・ダイナー" は、どこに衝撃を受けたのかと言うと…演奏が全くなくて、歌い出しから終わりまでずっとアカペラだったんです。

何人かのグループでアカペラで歌った曲は聴いたことがあったんですが、1人でってのは聴いたことがありませんでした。

そういえばホイットニー・ヒューストンの "I Will Always Love You" の最初の方だけアカペラで歌ってるところも当時すごいなと思ったけど、"トムズ・ダイナー" は最後までですからね。

もちろん曲の長さも曲調も違うんで、比較してどっちの方がすごいとかはないですよ。

都会の女性の孤独感を表現

"トムズ・ダイナー" にはサビというものはなく、Aメロ、Aメロ、Bメロ、Bメロの繰り返しみたいな感じで淡々と歌ってます。

ニューヨークの朝を行きかうビジネスマンやキャリアウーマンを眺めながら「トムズ・ダイナー」という喫茶店?小さいレストラン?でコーヒーを飲んでいる女性の視点で歌われた歌詞。

店の中から外を見ている女性が、毎日毎日繰り返されるいつもの光景をただ無感情に見ている…。

言いようのない孤独感。

感情を込めずにアカペラで最低限の抑揚だけで歌っているので、曲を聴いている自分もまるで「トムズ・ダイナー」に居て、主人公の女性を見ているかのような臨場感を感じます。

もともとはピアノの伴奏で "トムズ・ダイナー" を歌いたかったスザンヌ・ヴェガ。

でもピアノを弾くことができなくて、自分のイメージ通りにピアノのメロディをつけることができなかったからアカペラにしたらしいです。

逆にそれがこの曲を特別な印象の曲にすることに一役買ってるんだから、何がきっかけになるかわからないもんですね。

スザンヌ・ヴェガはMP3の母

ちなみにこの曲は世界で初めてMP3フォーマットに変換された曲としても有名です。

MP3が試作段階を終えていよいよ完成間近という段階で、ラジオから流れてくる "トムズ・ダイナー" をたまたま耳にした開発関係者。

「シンプルなアカペラで歌われた繊細で美しいこの声をMP3のフォーマットに圧縮することは難しい…。」

「MP3はまだ改善の余地がある!」

そう感じた開発関係者が、それから音響システムなどに改良を重ねた結果によってMP3は完成しました。

なので、スザンヌ・ヴェガは『MP3の母』とも呼ばれています。

勝手にカバーされた曲が大ヒット

この曲は最初に発売された時は完全アカペラなんですけど、後の1990年にイギリスの「D.N.A」というDJグループが勝手にカバーしてヨーロッパの各国でトップ10位内に入りまくるということが起こりました。

勝手にカバーされてる上に原曲とは全く違う、軽いハウスっぽいアレンジまでされてるわけですから普通は裁判になりますよね。

でも、このアレンジを気に入ったスザンヌ側がコラボを申し入れるという…器がでかいですね。

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