泣き虫パワーポップは卒業？ウィーザーの3rdアルバムは超ポジティブ！ Weezer／Photograph

1. Don't Let Go
2. Photograph
3. Hash Pipe
4. Island In The Sun
5. Crab
6. Knock-Down Drag Out
7. Smile
8. Simple Pages
9. Glorious Day
10. O Girlfriend 

デビューアルバムは300万枚以上のヒット

ガンズ・アンド・ローゼズに憧れてバンドを始めたリヴァース・クォモによってロサンゼルスで結成されたウィーザー。

80年代に "You Might Think(ユー・マイト・シンク)" などのポップな曲を大ヒットさせた、ザ・カーズのリック・オケイセックがプロデュースしたデビューアルバム(通称：ザ・ブルーアルバム)がいきなりの300万枚を売り上げます。

ちょうどこのころは日本でもいろいろな洋楽がCDのランキングに食い込んでくる時代。

CDが売れまくっているCDバブルみたいな時代で、各レコード会社も海外の勢いのあるバンドを積極的に売り込んでました。

それが関係してるかはわからないけど、洋楽の国内盤CDの帯には必ずと言っていいほどちょっと気を引くような販促コメントが書いてったような気がします。

「一度聴いたら忘れられない大ヒットシングル、バディ・ホリー収録！！」

みたいな感じで書かれていたウィーザーのデビューアルバムの帯コメント。

これはまあ普通過ぎるくらい普通ですけど、とにかく強く目を引いたのがジャケット写真。

「これで、全米300万枚以上を売ったポップバンド？」

半信半疑で試聴したらこれがもう大当たり。

1stアルバムで魅力に見事にハマった私は、2ndアルバム「Pinkerton（ピンカートン）」で完全にウィーザーのヘロヘロパワーポップの虜に。

3rdアルバムの「グリーンアルバム」は発売予定日を知ってから心待ちにしてしまうほどになってました。

このグリーンアルバムには1stアルバムの様な泣き虫パワーポップバンド感はありません。

明るくてポジティブ全開なポップアルバムに仕上がっており、その中でも曲の構成と歌詞のリズムが一本調子ではなくて私の気を引いたのが "Photograph" です。

極端に短いAメロでは、ギターをバックに軽やかな手拍子と上手いんだか下手なんだかよくわからない裏声コーラスで歌っています。

そしてサビに入った瞬間、衝動が一気に爆発したかのように演奏が始まるところが最高。

曲全体の時間は2分20秒くらいしかなくてかなり短い。

でも、コミカルな雰囲気のAメロ、力強いサビ、曲の強弱がはっきりつけられてて単調になることがないから飽きません。

ひねくれた感じのメロディもクセになるので、短時間のうちに何度も何度も繰り返して聴きたくなるんですよね。

「グリーンアルバム」が過去の作品よりも楽観的で肯定的に聴こえたのはリヴァースの歌い方にも関係してるのかも。

今までの歌い方だと、上手い下手とかじゃなくて、もう少し弱弱しい声というか、デリケートな声というか…。

だけどこのアルバムで聴くことのできるリヴァースのボーカルは、歌うことを心から楽しんでるように聴こえます。

1stアルバムが300万枚以上を軽く売り上げたのに2ndアルバムの「ピンカートン」が50万枚しか売れなかったことで吹っ切れたのかもしれません(笑)。

「ピンカートン」は酷評されて解散説までささやかれましたけど、今では再評価されているみたいです。

ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズに憧れてギターを持ち始めたはずなのに、当初は演奏も曲もボーカルもガンズとは似ても似つかなかったウィーザー。

もう少しハードロックに近づけたくならなかったんだろうか？と思います(笑)。