アルバム情報

1."All Dead, All Dead" (オールデッド、オールデッド)

  • 発売年:1977年
  • 収録アルバム:The News Of The World(世界に捧ぐ)…6枚目のアルバム
  • アルバム最高位:全英4位、全米3位、日本オリコンチャート2位

2."Sail Away Sweet Sister" (セイル・アウェイ・スウィート・シスター)

  • 発売年:1980年
  • 収録アルバム:The Game(ザ・ゲーム)…8枚目のアルバム
  • アルバム最高位:全英1位、全米1位、日本オリコンチャート5位

自伝的映画「ボヘミアン・ラプソディ」の大ヒットにより日本でも知らない人はいないであろう、みなさんご存じクイーン。

今まで何種類もベストアルバムが出ているクイーンですが、今回の2曲はベストには収録されてない曲なので映画でクイーンを知ったばかりの人はご存じではないと思います。

"All Dead, All Dead" も "Sail Away Sweet Sister" も、どちらもギタリストであるブライアン・メイ作で、歌っているのもブライアン。

"Sail Away Sweet Sister" に関しては大サビ前のブリッジ部分をフレディが歌ってますけど。

この2曲は名バラードだと思うんですが、なぜベストアルバムに収録されないのか不思議でなりません…。

News Of The World (世界に捧ぐ) / Queen (クイーン)
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▼「世界に捧ぐ」収録曲
  1. We Will Rock You
  2. We Are the Champions
  3. Sheer Heart Attack
  4. All Dead, All Dead
  5. Spread Your Wings
  6. Fight from the Inside
  7. Get Down, Make Love
  8. Sleeping on the Sidewalk
  9. Who Needs You
10. It's Late
11. My Melancholy Blues

The Game (ザ・ゲーム) / Queen (クイーン)
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▼「The Game」収録曲
  1. Play The Game
  2. Dragon Attack
  3. Another One Bites The Dust
  4. Need Your Loving Tonight
  5. Crazy Little Thing Called Love
  6. Rock It (Prime Jive)
  7. Don't Try Suicide
  8. Sail Away Sweet Sister
  9. Coming Soon
10. Save Me

「Greatest Hits」は52週連続で100位圏内にランクイン

高校生だった当時、オムニバスアルバムに収録されていた "We Are the Champions" でクイーンにひと耳ぼれ。

ベストアルバム「Greatest Hits」を聴いて完全にファンになり、レンタルショップでクイーンのオリジナルアルバムを借りまくっていました。

ぶっちゃけ、良い曲はベストアルバムにほとんど入ってるんだろうから、オリジナルアルバムに収録されている他の曲はそんなに期待してなかったんですけどそれは間違いでした。

クイーンの場合は、なんでこれがベストに入らないの?って曲がホント多い。

その中でも私が特にそう思ったのが、今回の "All Dead, All Dead" と "Sail Away Sweet Sister" です。

ちなみにベストアルバム「Greatest Hits」は、母国イギリスでは発売されてから52週連続でアルバムチャートの100位以内に残り続けたというモンスターアルバム。

1か月が4.5週間だとして、単純におよそ1年間も100位以内にランクインしてるなんて普通に考えてあり得ないことですよね…。

クイーンの凄いところはアルバムを出すスパンもとんでもなく短いということ。

  1.  1973年 - 戦慄の王女
  2.  1974年 - クイーン II
  3.  1974年 - シアー・ハート・アタック
  4.  1975年 - オペラ座の夜
  5.  1976年 - 華麗なるレース
  6.  1977年 - 世界に捧ぐ
  7.  1978年 - ジャズ
  8.  1980年 - ザ・ゲーム
  9.  1980年 - フラッシュ・ゴードン
  10.  1982年 - ホット・スペース

デビューアルバムの「戦慄の王女」からの10年間だけで見ても、10年の間に10枚もアルバムを出しています。

しかも1994年、1980年に関してはなんと2枚…。

しかもしかも、すべてのアルバムが最低でも200万枚のダブルミリオン、世紀の名曲 "ボヘミアン・ラプソディ" が収録されている「オペラ座の夜」に至っては全世界で1000万枚以上の売り上げ枚数。

いまだにクイーンのファンは増え続けているでしょうから、この売り上げ枚数はこれからもまだまだ伸びる可能性もあるかもしれません。

それにしても世界中をツアーでまわりながらのこのアルバム制作スピードと楽曲のクオリティ…いい意味でクレイジーです。

"All Dead, All Dead" (オールデッド、オールデッド)

この "All Dead, All Dead" が収録されているアルバム「The News Of The World(世界に捧ぐ)」。

このアルバムには "ボヘミアン・ラプソディ" と同じくらい日本ではよく知られている名曲 "We Will Rock You" と "We Are the Champions" が収録されています。

アルバムの1曲目が "We Will Rock You" 、2曲目が "We Are the Champions" 

アルバムのハイライト的なこの2曲が冒頭にいきなり収録されていたのはちょっと意外でした。

特に絶対的な存在感を持つバラード "We Are the Champions" は完全にラストの曲だと先入観と固定観念で勝手に想像してた私。

しかも2曲目っていうのが正直いっていまだにしっくりこない曲順です(笑)。

そして4曲目に収録されているのがギタリストであるブライアン・メイ作の「All Dead, All Dead」なんですが、イントロのピアノからとにかく暗い。

でも美しい。

ブライアン・メイが子供のころに飼ってた猫が死んだことを思い出して歌っているらしいです。

この曲ではクイーンお得意のコーラスワークも卓越した演奏技術も感じられないかもしれないけど、それだけにメロディの美しさが際立った素晴らしい曲だと思う。

サビで重く静かに響くベースの音も、別に特別なことをやっているわけではないけどなぜか印象的。

ただその暗さのせいもあってか、これまでベストアルバムに収録されることはなく、クイーンのファンの中でもこの曲を推す人もあまりいないように感じます。

私が死んだときにはこの曲をかけて涙を流してほしい…密かにそう思う曲です。

"Sail Away Sweet Sister" (セイル・アウェイ・スウィート・シスター)

そしてもう1曲の "Sail Away Sweet Sister" は8枚目のアルバム「The Game」に収録されています。

こちらも先ほどの「世界に捧ぐ」と同じように、クイーンに飢えてよだれを垂らしながら聴きあさっていたころに巡り合った曲。

ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズがこの曲をライブで歌ってるのをYouTubeで見たことがあるんですけど、残念ながら最初のサビ前までしか歌ってませんでした…。

"Sail Away Sweet Sister" はAメロ、サビ、Aメロ、サビ、みたいな構成のだいぶシンプルなバラードです。

派手さはないけど正確なピッチで優しく歌うブライアンの歌声と、いつも圧倒的な歌唱力でメインで歌っているフレディのバックコーラスも聴くことができる。

メロディも口ずさみやすいものなので、もっと推されてもいい曲なんじゃないかなと思います。

歌詞の内容は、妹に対する兄の愛情がテーマで、ブライアンが「もし自分に妹がいたら…」という想像で書いてます。

「きっとお前のことを必要としてくれる人が見つかるだろう」

「かわいい妹よ、だから船を出して新しい世界に勇気をもって踏み出すんだ」

Aメロでは愛する妹の旅立ちが迫っていることを少し悲しげに、サビでは別れを惜しみながらもその背中を押しているかのような力強い歌詞が胸を打ちます。

私はまだ若かったころはある意味テキトーに聴いていたんで、クイーンの曲は全部フレディが歌っているのかと思ってました。

フレディのパワフルなオペラボイスはもちろんクイーンのシンボルだし最高なんですが、ブライアンの歌うバラードにもまた違った良さがあります。

"All Dead, All Dead" や "Sail Away Sweet Sister" 以外にもそういう曲はあるので、すべてのアルバムを聴いてみて、自分好みのブライアンの曲を探してみるのも面白いかもしれません。