①ブラー初のNo.1シングル

当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったブラーが1995年にリリースした4thアルバム「ザ・グレイト・エスケープ」はブリットポップを象徴するようなアルバム。

このアルバムはU.Kで1位を獲得。そしてアルバムからの1stシングル「Country House(カントリー・ハウス)」もブラーにとって初のNo.1シングルに輝きました。

 

「カントリー・ハウス」は都会で成功した男が郊外に家を買って悠々自適に暮らす様子を歌ったポップソング。

跳ねるようなリズムと牧歌的なホーンセクションがなんとも微笑ましい、ブリットポップ期を代表する名曲です!

 

↓Youtube【Blur - Country House (Official Music Video)】

 

 

②歌詞と和訳

Songwriter(s) - Damon Albarn, Graham Coxon, Alex James, Dave Rowntree

So the the story begins…

City dweller, successful fella
Thought to himself
Oops I've got a lot of money
I'm caught in a rat race terminally
I'm a professional cynic
But my heart's not in it
I'm paying the price of
Living life at the legal limit
Caught up in the centuries anxiety

It preys on him, he's getting thin

 

話はこうして始まる…

都会で暮らす成功した男
ふと思ったのは
あっ、俺って大金持ちなんだ
でも俺がいるのは末期的な競争社会
プロの皮肉屋だけど
心の底から思ってるわけじゃない
合法的な制限の範囲内で
生きるための代償を払ってるのさ
何世紀にも渡る心配事にハマっちまった

彼は騙されて利用され、どんどん痩せ細っていく

 

Now he lives in a house
A very big house in the country
Watching afternoon repeats and
The food he eats in the country
He takes all manner of pills
And piles up analyst bills in the country
It's like an animal farm

Lots of rural charm in the country

 

彼は田舎にある家に住んでる
田舎にあるバカでかい家に
田舎で午後の再放送番組を観て
料理を食べている
田舎であらゆる種類の薬を飲んで
精神分析医からの領収書を積み上げている
ここは動物農場みたいなところ

田舎は魅力がたくさんあるのさ

 

Now he's got morning glory
Life's a different story
Everything going jackanory
In touch with his own mortality
He's reading Balzac, knocking back Prozac
It's a helping hand
That makes you feel wonderfully bland
Oh, it's the centuries remedy

For the faint at heart, a new start

 

“モーニンググローリー” を手に入れて
人生はそれまでとまるで別のものに
すべてがジャッカノリーみたいに進んでいく中で
彼は自分の死期を悟っている
バルザックを読んで、プロザックを一気に飲む
それが彼にとっての救い
素晴らしく穏やかな気分になれるのさ
それは世紀の治療法なんだ

気の弱い男の、新しいスタートだ

・ジャッカノリー … BBC(イギリスの公共放送)で放映された子供向け番組
・バルザック … 19世紀のフランスを代表する小説家

・プロザック … 海外で広く使われている抗うつ剤、精神安定剤

 

He lives in a house
A very big house in the country
He's got a fog in his chest
So he needs a lot of rest in the country
He doesn't drink smoke laugh
He takes herbal baths in the country
Oh It's like an animal farm
But you'll come to no harm

On the animal farm in the country

 

彼は田舎にある家に住んでる
田舎にあるバカでかい家に
胸にはもやがかかってる
だから田舎で十分な休養が必要なんだ
酒を飲まず、タバコも吸わず、笑うこともなく
田舎でハーブの風呂に入ってる
まるで動物農場だ
でもキミにとって悪いことは何もないよ

この田舎の農場みたいなところではね

 

Blow, blow me out I am so sad

I don't know why

 

僕を、僕を吹き飛ばしてくれ すごく悲しいんだ

なぜなのかはわからないけど

 

(繰り返し ※ → ★)

 

 

 

③ブリットポップを象徴するバンド

1990年代にイギリスで大ブームとなったブリットポップ。

ブリットポップとはブラーの3rdアルバム「パークライフ」や、オアシスのデビューなどを機に幕を開けた音楽ムーブメントのこと。

ブラーやオアシスのブレイクに続けとばかりに様々なバンドがデビューしまくって玉石混交だった時代です。

 

このブリットポップという音楽史の一時代は90年代後半に幕を閉じます。

そのきっかけはオアシスの3rdアルバム「ビィ・ヒア・ナウ」に対する評論家やファンが失望したことによるもの。

さらにブラーが5thアルバム「Blur(ブラー)」でオルタナティブ志向になったことや、ボーカルであるデーモン・アルバーンの『ブリットポップは死んだ』という発言による影響も小さくありませんでした。

ブリットポップの発端となったのがブラーとオアシス。そしてそのムーブメントを終わらせたのもブラーとオアシスだったというわけですね💧

 

 

④オアシスを挑発!?

あの有名な『ブラー vs オアシス』論争の発端となった曲としても有名な「カントリー・ハウス」。

もともと「カントリー・ハウス」は、発売日がオアシスのシングル「ロール・ウィズ・イット」と1週間ズレてました。

だけど驚くことにブラー側のレコード会社の判断で、決まっていた「カントリー・ハウス」の発売日をあからさまに「ロール・ウィズ・イット」と同じ日に変更。

結局このバトルはブラーのカントリー・ハウスが1位、オアシスのロール・ウィズ・イットが2位で決着。

でもこの両シングルが収録されたアルバム「ザ・グレイト・エスケープ」vs「モーニング・グローリー」の売り上げ対決では、オアシスの歴史的名盤「モーニング・グローリー」にブラーは大きく差をつけられる結果に。

ちなみに両アルバムのU.Kとアメリカでの最高位はこちら。

U.K(イギリス) アメリカ
ザ・グレイト・エスケープ(ブラー) 1位 150位
モーニング・グローリー(オアシス) 1位 4位

 

『ブラー vs オアシス』論争のシングル対決はブラーに軍配が上がったけどアルバム対決はオアシスの圧勝。

それにしてもブラーのアメリカでの結果は散々ですね💧

 

 

歌詞はAメロのいたるところでリズミカルに韻を踏んでいるのが面白いし、オアシスの2ndアルバム「Morning Glory(モーニング・グローリー)」を皮肉る形で登場させてるのも面白い。

巨大なロール状の雲のことを「モーニング・グローリー」って言うこともあるらしいけど、『ブラー vs オアシス』論争の真っただ中にリリースされた曲なのでオアシスを挑発してるとしか思えないですね😂