【目次】
アルバム情報
- 発売年:1972年
- 収録アルバム:The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)
- アルバム最高位:全英5位、全米75位
中性的できらびやかなビジュアル
グラムロックのパイオニアであり世界でも有数のトップアーティスト、デヴィッド・ボウイ。
『glamorous = グラマラス』がグラムロックの語源で、中性的で、ハデハデで、きらびやかなビジュアルで、チャッチーなサウンドなのがグラムロック。
ちなみに日本のバンド、ザ・イエローモンキーもグラムロックの影響を受けているみたいです。
インディーズ時代からデヴィッド・ボウイの "Ziggy Stardust" をカバーしてるので、イエモンのビジュアルも曲もボウイに近い雰囲気があると思います。
ボウイが1967年~2016年のラストアルバムまでに発表したオリジナルアルバムは、なんと25枚。
その凄まじいほど多くの曲の中で、私の思い入れが深く、今もよく聴いているのは、5thアルバムの「ジギー・スターダスト」に収録されている "レディ・スターダスト"。
ボウイは1983年の映画『戦場のメリークリスマス』にも俳優として出演していたので、洋楽を聴かない映画好きな方も見たことはあるかもしれません。
この映画の原題は『Merry Christmas, Mr. Lawrence(メリークリスマス・ミスター・ローレンス)』。
ボウイはローレンス役ではなく、俘虜になった陸軍少佐ジャック・セリアズという役です。
- 5年間 - Five Years
- 魂の愛 - Soul Love
- 月世界の白昼夢 - Moonage Daydream
- スターマン - Starman
- イット・エイント・イージー - It Ain't Easy
- レディ・スターダスト - Lady Stardust
- スター - Star
- 君の意志のままに - Hang Onto Yourself
- 屈折する星くず - Ziggy Stardust
- サフラジェット・シティ - Suffragette City
- ロックン・ロールの自殺者 - Rock'N'Roll Suicide
- ジョン、アイム・オンリー・ダンシング - John,I'm Only Dancing (Single B-side)
- ヴェルヴェット・ゴールドマイン - Velvet Goldmine (Single B-side)
- スイート・ヘッド - Sweet Head (Previously unreleased track)
- 屈折する星くず(デモ・ヴァージョン) - Ziggy Stardust (Previously unreleased original demo)
- レディ・スターダスト(デモ・ヴァージョン) - Lady Stardust (Previously unreleased original demo)
ボウイを聴くようになったきっかけ
私がそれまであまり知らなかった洋楽の曲を聴いてみようと思うきっかけはだいたい決まってました。
レンタルショップで店員さんのおすすめコメントを見たり、ジャケットの帯コメントに興味をひかれたり、他の曲目当てで借りたコンピレーションアルバムにたまたま入っていた曲だったり、別のアーティストのCDのライナーノーツに出てきたり…。
そんな風にして、 "レディ・スターダスト" が収録されているアルバム「ジギー・スターダスト」が名盤として世界的にかなり評価されているということを知った私。
レンタルショップで借りてみたのがボウイを聴き始めるようになったきっかけでした。
壮大なコンセプトアルバム
このアルバムを最初に聴く前は、タイトルトラックにもなっている9曲目の "ジギー・スターダスト" はたぶんいい曲なんだろうけど他にもいい曲が入ってればラッキーだな、くらいの感覚でした。
でもいざ聴いてみるとアルバム全体の世界観にあっという間に引き込まれてしまいました。
地球の資源があと5年でなくなるかもしれないという緊急事態に異性から突如訪れたバイセクシャルのロックスター『Ziggy(ジギー)』。
その『ジギー』を主人公とした壮大なストーリーが1曲目から最後の曲までアルバム全体を通して歌われているんですから。
今思えば、生まれて初めて聴いたコンセプトアルバムだったのかもしれません。
そして1曲1曲のクオリティがとても高い…。
日本でもCMで使われた "スターマン" やタイトルトラックの "ジギー・スターダスト" は単体でシングルとして十分勝負できるデキだと思うし、短くもポップな "スター" 、切なく歌い上げる "ロックンロール・スーサイド" などは何度もリピートして聴いていました。
あまりにも良い曲がたくさんあるので、"ムーンエイジ・デイドリーム" や "ヴェルヴェット・ゴールドマイン" あたりは大人になってから曲の良さに気づけた感じです。
独特の世界観にうっとりしてしまう
今回の曲、"レディ・スターダスト" は1998年ころNTTのCMで使われていた曲。
そのきれいなメロディーと独特の世界観にうっとりとしてしまうピアノバラードです。
私はピアノが強く主張してくる曲が結構好きなんですけど、この曲もピアノの旋律がこれでもかというくらい美しい。
特にイントロの静かな感じから歌に入った瞬間に始まる、力強く流麗なピアノの音には何度聞いても心を奪われてしまいます…。
シングルで出された曲がアルバムの中ではアコースティックバージョンになってたり、ピアノだけのバージョンになってたりするのをよく聴いたりするんですけど、結局は原曲に勝るものなしってのが私の場合はほとんどです。
でも、この "レディ・スターダスト" に関してはピアノの音だけで歌っていても原曲に引けを取らないと思う…というかむしろ聴くときの自分の精神状態によってはそっちの方が胸に響くかもしれません。
このアルバムの次のヒットアルバム「アラジン・セイン」もピアノを前面に押し出した曲があります。
特にタイトルトラックの "アラジン・セイン" はびっくりするくらいの不協和音をあえて取り入れているのに、それでいて楽曲として完成されているおもしろい曲なのでボウイに興味がある方にはおすすめの曲です。