アルバム情報

  • 発売年:1990年
  • アルバム名:Spilt Milk(こぼれたミルクに泣かないで)
  • アルバム最高位:全英21位

ジェリーフィッシュってどんなバンド?

アメリカのサンフランシスコで、アンディ・スターマー(ボーカル、ドラム)とロジャー・マニング(ピアノ、キーボード、ギター)により結成された4人組バンド、Jelly fish(ジェリーフィッシュ)。

アメリカ出身のバンドだけどイギリスではアメリカよりもいい結果を残していて、どちらかと言えばヨーロッパの方で受け入れられてました。

彼らの2ndアルバム「Spilt Milk(こぼれたミルクに泣かないで)」。

ポップスファンにはかなり高評価なこの2ndアルバムが実質上のラストアルバムになってしまいました。

2ndは前作に比べて音がかなりにぎやかになっていて、そこで前作が好きかこの2ndアルバムが好きか分かれるところだと思いますけど、私はこのゴテゴテしてきらびやかな音の2ndが好きです。

1stアルバムも、1曲目の暗くてスローテンポでポップな曲「The Man I Used To Be」みたいに、演奏はシンプルだけどポップセンスが爆発してる曲が目白押しなので2枚のアルバムを交互に聴くのが一番いいかもしれません。

ジェリーフィッシュのこぼれたミルクに泣かないでのCDジャケット

  1. おやすみ/Hush
  2. ファンクラブに入るなら/Joining a Fan Club
  3. セブリナとペーストとプラトンと/Sebrina, Paste, and Plato
  4. ニュー・ミステイク/New Mistake
  5. 憐れみの王様/Glutton of Sympathy
  6. スーパースターに救いの手を/The Ghost at Number One
  7. バイ・バイ・バイ/Bye Bye Bye
  8. 優しく許して/All Is Forgiven
  9. ラッシャン・ヒル/Russian Hill
  10. 彼は僕のともだち/He's My Best Friend
  11. 言葉にさよならを/Too Much, Too Little, Too Late
  12. あしたがあるから/Brighter Day

▼ニュー・ミステイク/New Mistake

▼スーパースターに救いの手を/The Ghost at Number One

完成度の高いコーラスワーク

全員がきっちりと歌えるという意味ではクイーンのようなバンドです。

そのコーラスワークと、ビートルズをとことんカラフルでポップ全開に振り切ったようなメロディアスでキャッチーな曲が特徴。

「こぼれたミルクに泣かないで」でも随所にクイーン風のコーラス、ハーモニーが盛り込まれているのがわかります。

ただ、クイーンのようなオペラ的というか重厚な感じではなくておもちゃ箱みたいな雰囲気の楽しいハーモニーですね。

たった2枚のスタジオアルバムで解散

このアルバムからは "New Mistake(ニュー・ミステイク)" と、"The Ghost at Number One(スーパースターに救いの手を)" の2曲がシングルになっています。

シングルランキング
  • New Mistake(ニュー・ミステイク)          ・・・全英55位
  • The Ghost at Number One(スーパースターに救いの手を)・・・全英43位

という感じで、全英でちょっと売れたけど本国のアメリカではほとんどウケませんでした。

"The Ghost at Number One" はアメリカビルボードのモダンロック部門ではトップ10に入ってます。

「こぼれたミルクに泣かないで」の制作にあたり、前作までメンバーだったギタリストとベーシストの2人が脱退。

ベーシストだけは見つかったみたいですけど正式なギタリストに関しては不在のままレコーディングしています。

なのでギターはスタジオミュージシャンが弾いていますが、このアルバム制作後にエリック・ドーヴァーがギタリストが正式加入。

ジェリーフィッシュ解散後には、このエリック・ドーヴァーとキーボードのロジャー・マニングの2人で「Imperial Drug(インペリアルドラッグ)」というバンドを立ち上げてます。

「こぼれたミルクに泣かないで」をもう少しハードにした感じだけどジェリーフィッシュっぽい部分も残しているので、そちらもかなりおすすめです。

▼"Breakfast" By Tiger (Kiss It All Goodbye)

ボーカル/ドラムのアンディはYUKIの "プリズム" の作曲編曲も

ボーカル兼ドラムのアンディ・スターマーは、"アジアの純真" で有名なパフィーの名付け親。

他にも、元JUDY AND MARYのYUKIのソロ、 "プリズム" の作曲、編曲を手掛けたりもしてるんですね。

私はこの "プリズム" が発売されたときにメロディの美しさに一瞬で引き込まれてCDを購入してました。

何年か後にこの裏話を知ったので、その時はなぜ "プリズム" が好きになったのか妙に納得した記憶があります。

▼プリズム

立ったままドラムを叩く変わったスタイル

ドラムでボーカルのアンディ・スターマーの演奏をライブ動画で見るとわかると思うんですけど、立ったままドラムを叩いて歌うっていうちょっと珍しいスタイル。

中には座って叩いているのもありますけど。

今まで私が見てきたドラマーは、カーペンターズのカレン・カーペンターだったり、イーグルスのドン・ヘンリーだったり、ビートルズのリンゴ・スターだったり、ジェネシスのフィル・コリンズだったり…。

みんなちゃんと座ってドラムを叩いてました。

今はもう2020年ですけど、立ったままドラムを叩くドラマーはアンディ以外見たことがないです。

今後ジェリーフィッシュのフォロワーバンドが出てきてマネしてくれないかなと期待してます。

アルバム全曲紹介

1.おやすみ/Hush

ハッシュっていうのは「静かにさせる」みたいな意味。

ここでのハッシュは「しーーっ」っていう静かにしてもらいたいときに使うあれですかね。

子守歌調のゆったりした短い曲ですが多重録音を使っており、実験的な曲でもあります。

2.ファンクラブに入るなら/Joining a Fan Club

この曲は全体的にスローテンポの曲なんですが、メロディの良さはアルバムで1、2を争うくらいいいです。

最初のサビまではキーボードとドラムがちょこっと演奏するのみで、サビに入ってから他のメンバーが一気に演奏を始め、そして中盤から終わりまではクイーン並みのコーラスワークの連続。

ライブ映像だとわかるんですが、最初のサビに入る瞬間にキーボードがいつの間にかギターに持ち替えて、その後もちょくちょく演奏する楽器を変えているのがすごい。

3.セブリナとペーストとプラトンと/Sebrina, Paste, and Plato

かなりドリーミーな曲です。ディズニーランドでかかっていても不思議はないかもしれません。

セブリナというのはロジャーが特に意味もなく「セブリナが穏やかにしてくれる」みたいに言った言葉で、それをそのままタイトルにしたらしいです。

4.ニュー・ミステイク/New Mistake

このアルバムの中で群を抜いてポップ&メロディアスな曲。

サビに入るまでは全員ノリノリ(?)で演奏し、サビに入った瞬間他のメンバーの演奏は控えめになり、アンディ・スターマーのきれいなファルセットのボーカルが映える、POP史に残るべき曲です。

5.憐れみの王様/Glutton of Sympathy

作詞作曲されてから4年間、発表されずにこのアルバムに収録された曲。

このアルバムの中の他の曲と比べてかなりシンプルに仕上げられていますがメロディはちゃんとジェリーフィッシュしてます。

6.スーパースターに救いの手を/The Ghost at Number One

もともと別の曲として作り上げられていたものを一つにつなぎ合わせたような展開の曲。

スーパースターとは、プリティウーマンの映画の曲で有名なロイ・オービソンのことみたいです。

シングルに選ばれるのが当たり前なぐらいノリがよくて聞きやすい曲で、やはりこの曲でもきれいで楽しいコーラスは健在。

7.バイ・バイ・バイ/Bye Bye Bye

この曲だけちょっと他の曲と雰囲気が違うように感じました。

ポップはポップなんですけど、色合いが他の曲みたいなにぎやかポップロックではなくちょっと哀愁を帯びたメロディというか…。

アコーディオンとか、民族楽器のバラライカとか、この曲だけで使われている楽器が独特な雰囲気を作っているんでしょうね。

8.優しく許して/All Is Forgiven

マイブラッディヴァレンタイン(マイブラ)というシューゲイザー系のバンドを意識しているのが完全にわかる曲。

ジェリーフィッシュがノイジーに演奏するとこんな音になるのかとびっくりしました。

マイブラ、ジェリーフィッシュ、お互いの個性を上手く掛け合わせた完全な成功例。

途中に一瞬入る、クイーン風のコーラス(最初のサビの直後)はライブで合わせるのは激ムズでしょうね…。

9.ラッシャン・ヒル/Russian Hill

アンディが一人で作った曲です。

バンドの方向性とは違う感じだけど自分の作ってみたかった曲を入れてみたという感じでしょうか。

しっとりと落ち着いた曲で、ジェリーフィッシュっぽさはあんまりないかもしれません。

10.彼は僕のともだち/He's My Best Friend

この曲も特に大きなフックはなく、ファン向けの曲かもしれません。

小さなころからの友達との友情を歌詞にしています。

11.言葉にさよならを/Too Much, Too Little, Too Late

このアルバムでかなり上位に来るくらい好きな曲です。

バラード調のしっとりした曲なんですがここでもコーラスワークは見事。

特に最後のサビの部分のコーラス部分が私は好きで、一時期このアルバムのこの曲ばかり聴いていることもありました。

アンディは一瞬の自然なファルセットをボーカルの途中に入れるのがホントにうまいなと思います。

12.あしたがあるから/Brighter Day

このアルバムで使われた全ての楽器が使われているだけあって、かなりワイワイした感じに仕上がっています。

私がこの「こぼれたミルクに泣かないで」を買ったのは今から20年近く前の西暦2000年前後。

そのころはもちろんYOUTUBEはまだありませんでした。

というか2010年くらいでもジェリーフィッシュの曲をYOUTUBEで聴こうとしても「JYLLYFISH」というアニメや映画ばかり出てきてしまって、バンドのジェリーフィッシュはほとんど出てこなかったです…。

最近では「ジェリーフィッシュ(曲名)」で検索すれば、確実にジェリーフィッシュの曲が表示されてすぐに無料でライブの映像が見られます。

洋楽好きには本当にいい時代になりました。

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