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①カレッジチャートから人気に火がついたジン・ブロッサムズ

ジン・ブロッサムズはオルタナティブロック、グランジがブームだった1992年にメジャーデビュー。爽やかでちょっとセンチメンタルなサウンドを武器に、アメリカのカレッジチャートを中心に人気だったバンドです!

アメリカではラジオ局を持っている大学も多く、学生がDJとして曲を流したり、人気のあるバンドを大学に招いてコンサートを開くこともありました。「カレッジチャート」とは、そういった大学の学生が運営している小さなFMラジオ局のリクエストをいくつかの大学から集計したものなんですね。

また、昔はCMJ(カレッジ・ミュージック・ジャーナル)という雑誌も発行されていて、この雑誌の付録CDを聴くことでアメリカの大学生は流行りの音楽を取り込んでいきました。(※CMJは2010年に発行終了)CMJが設立したカレッジ・ネットワークは当時アメリカ全土に800以上の加盟局を持っていたこともあり、そのオンエア率を集計したカレッジチャートはインディー・ロック愛好家からは絶大な人気でした。

ちなみに「アウト・オブ・タイム」「オートマチック・フォー・ザ・ピープル」などのアルバムが大ヒットした、R.E.Mはカレッジチャートで人気に火が付いたことをきっかけに世界的なバンドへと飛躍していった代表的なグループです。

②イントロのギターリフは反則級の切なさ

Til I Hear It from You(ティル・アイ・ヒア・イット・フロム・ユー)はアメリカで1995年に公開されたコメディ映画『エンパイアレコード』のサウンドトラックからシングルカットされた曲。全米シングルチャートでは最高9位を記録したヒット曲です。

翌年発表されたメジャー2ndアルバム、「コングラチュレイションズ…アイムソーリー」日本国内盤のラストにもボーナストラックとして収録されていますが、アメリカ盤では未収録だったので残念がったファンも多かったそうです。

Congratulations I'm Sorry(コングラチュレイションズ・アイム・ソーリー) / Gin Blossoms(ジン・ブロッサムズ)
created by Rinker

Til I Hear It from Youは、繊細で美しく、どこか温かいけど少し感傷的なギターのリフと、ロビンのビブラート気味のナイーブなボーカルが胸に染みるポップバラード。イントロのクリーンなギターリフは切なさに心をわしづかみにされるようでもあり、ソウル・アサイラムのミザリーに匹敵するくらい感動的です。

イントロのリフを聴いた瞬間に頭の中を支配する「あの頃に戻りたい」というノスタルジックな感情。シンプルだけど強烈な哀愁を感じるこのギターリフが曲の中で使用されるタイミングも本当に絶妙なんです。特に最後のサビ前、この印象的なリフの直後に一瞬の静寂を挟んでロビンのボーカルが入ってくるところなんか、何度聴いても最高です。

ミドルテンポにもかかわらず、1分30秒以内に2番のサビまで歌い終わってしまうテンポの良さも、曲の最後に深い余韻を残すコーラスアレンジもいいですね。派手なことや特別なことはやってないけど、ここまで無駄なく切なさのツボを突いてくるセンチメンタルなポップソングに仕上げる、バンドのポテンシャルを見事に顕在化させたジン・ブロッサムズ。

それにしても、「ニュー・ミゼラブル・エクスペリエンス」「コングラチュレイションズ…アイムソーリー」というクオリティの高い2枚のヒットアルバムを作りながらも1997年には解散(※2002年に再結成し、2006年にはアルバムも発表)だなんて、音楽シーンは本当にシビアですね…。

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③アルバムタイトル『Congratulations… I'm Sorry』から感じること

「コングラチュレイションズ…アイムソーリー」からさかのぼること約4年。彼らのメジャーデビューアルバムである「New Miserable Experience(ニュー・ミゼラブル・エクスペリエンス)」はいきなり200万枚を売り上げる大ヒットを記録。Hey Jealousy(ヘイ・ジェラシー)などのヒットシングルも生まれ、ジン・ブロッサムズは一躍ブレイクを果たしました。

「ニュー・ミゼラブル・エクスペリエンス」でソングライターとして活躍していたのが、ギタリストのダグ・ホプキンス。しかし、ダグはアルバム製作中にアルコール依存と鬱の症状が悪化。

このアルバムから、ヘイ・ジェラシー(全米25位)、ファウンド・アウト・アバウト・ユー(全米25位)などのヒットシングルを生み出し、ジン・ブロッサムズの中心人物でもあったダグでしたが、症状はどんどん悪くなっていきレコーディング中に立つことさえままならない状態に。バンドメンバーが解雇をためらっていたことから、レーベルであるA&Mが半ば強制的にダグをバンドから解雇する決断をしました。

ダグはその後、拳銃自殺により32歳の若さでこの世を去っています。

自殺ではないけど、レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムも、ザ・フーのキース・ムーンも32歳で他界。たまたまなんでしょうけど、ミュージシャンの32歳という年齢になにか不吉なものを感じてしまいます…。

そして1996年に発表された、Til I Hear It from Youを収録したアルバムのタイトルは直訳すると、Congratulations… I'm Sorry(おめでとう…ごめんな)

なんだか意味深なタイトルに感じてしまうのは考えすぎでしょうか?

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