Enya(エンヤ)は、西ヨーロッパの民族音楽であるケルト音楽にクラシック、教会音楽、ニューエイジなどの要素を取り入れて独自のジャンルを確立させたアイルランドの歌姫。

ボーカルとキーボードの多重録音を取り入れた幻想的で浮遊感のある楽曲と、神々しい響きの神秘的な歌声が特徴的です。

4枚目のアルバム『The Memory of Trees』に収録されている「Anywhere Is(エニウェア・イズ)」はUKで7位、その他のヨーロッパ圏内のシングルチャートでもヒットし、各国で10位以内を記録しています。

異次元の透明感を持ったエンヤのボーカルと夢見心地なメロディが心を優しくほぐしてくれるこの曲は、エンヤの曲の中でも群を抜いてポップでキャッチー。

癒し系の洋楽を聴きたいけど、ゆったりし過ぎているのはちょっと苦手という方には特におすすめしたい曲です。

  • 収録アルバム:The Memory of Trees(ザ・メモリー・オブ・トゥリーズ)
  • 発売年:1995年
  • アルバム最高位:全英5位、全米9位

 

↓Youtube【Enya - Anywhere Is (Official 4k Music Video)】

 

「Anywhere Is」が収録された3rdアルバムで、全英5位、全米9位を記録。神聖とも言えるほどのヒーリング効果でポップな曲から荘厳な曲まで幅広く堪能することができる、ニューエイジミュージックの名盤。

created by Rinker
ワーナーミュージックジャパン

癒し系ミュージシャンとして日本でも多くの人が認知するようになったエンヤの魅力がダイジェスト的に詰まったベストアルバム。このアルバムのために書き下ろされた「Only If…」はエンヤのポップな曲が好きな人には一度聴いてみてほしい曲。

 

 

私が初めてエンヤを聴いたのは今からさかのぼること26年前、まだ高校生の頃。

当時は色々なアーティストの曲を収録した『オムニバスアルバム』が空前の大ブームで『Now』『HITS』『MAX』などのシリーズが発売されまくっていました。

そしてそのとき聴いたオムニバスアルバムに収録されていたのが「Caribbean Blue(カリビアン・ブルー)」という曲。

ゆったりと青く光る海の中を優雅に泳いでいるような感覚になるメロディが新鮮で、この曲で私はエンヤに興味を持つようになりました。

 

↓Youtube【Enya - Caribbean Blue (Official 4k Music Video)】

 

 

「カリビアン・ブルー」でエンヤを知った直後、よく聴いていたラジオ番組のおすすめ曲紹介みたいなコーナーで流れてきた曲。

それが「Anywhere Is」でした。

教会で流れる讃美歌のような荘厳さと、リズミカルなストリングス。

そして幻想的でありながらもポップなメロディに一瞬で虜になったことは今でもはっきりと覚えています。

 

 

でも一番衝撃的だったのはオンリーワンなエンヤの歌声ですね。

それまで耳にしたことがないくらい透き通っていて、この世のすべての物質を透過するんじゃないかってほどの透明感と立体感のある響き。

「Anywhere Is」の構成自体はAメロとサビだけなのでかなりシンプルなんだけど、エンヤの歌声だと全然飽きない。

何度聴いても飽きないんです。

それどころかまたすぐに聴きたくなって何度も何度もリピートしたくなってしまう。

そんな感じで高校生だった私は、依存症のごとくこの曲を聴きまくってました…。

 

 

歌詞は、人生の岐路にぶつかっている女性の揺れ動く心情みたいなものを表しています。

ちょっと抽象的な歌詞かもしれないけど、それが逆に神秘的なエンヤの声と幻想的な歌の世界観にピッタリ。

人生において、新たな一歩を始めないといけない瞬間、終わらせないといけない瞬間はたくさんありますよね。

そういった揺れ動く気持ちや葛藤が『夜の水面』『輝く星空』などの美しい情景となぞらえて女性視点で歌われている。

だけど、どこかポジティブにも受け取れる歌詞でもあることから『Anywhere Is』は結婚式の曲として選ばれることも多いみたいです。

 

↓「Anywhere is」  Songwriter(s) - Enya 

I walk the maze of moments
but everywhere I turn to
begins a new beginning
but never finds a finish
時の迷路を歩く
でも、どこを向いても
新たな始まりは見えるけど

終わりは全然見つからない

 

I walk to the horizon
and there I find another
it all seems so surprising
and then I find that I know
地平線に向かって歩けば
そこでももう一つ
すべてが意外に思えるけれど

それは私が気が付いていたこと

 

You go there you're gone forever
I go there I'll lose my way
if we stay here we're not together
Anywhere Is
あなたが行けば永遠に消えてしまう
私が行けば道に迷う
もし2人がここに留まるのなら一緒にはいられない

それがどこだったとしても

 

The moon upon the ocean
is swept around in motion
but without ever knowing
the reason for its flowing
海の上の月は
振り回されながらも
流れている理由がわからないまま

その流れの理由を知ることもなく

 

In motion on the ocean
the moon still keeps on moving
the waves still keep on waving
and I still keep on going
海の上で動いている
月はまだ動きを止めず
波はまだ揺れ続けている

そして私はまだ進み続けている

 

(繰り返し ★)

 

I wonder if the stars sign
the life that is to be mine
and would they let their light shine
enough for me to follow
星たちは示しているのだろうか
私のものになる人生を
輝かせてくれるだろうか

私がついてこれるような十分な光を

 

I look up to the heavens
but night has clouded over
no spark of constellation
no Vela, no Orion
私は天を見上げるけど
夜空は雲に覆われて
ここに星座の輝きは届かない

ヴェラもオリオンも

 

The shells upon the warm sands
have taken from their own lands
the echo of their story
but all I hear are low sounds
暖かい砂の上の貝殻は
自分の故郷から流されてきた
それぞれの物語を響かせるけれど

私に聞こえるのはかすかな音だけ

 

As pillow words are weaving
and willow waves are leaving
but should I be believing
that I am only dreaming?
枕言葉が織り成すように
柳の波は引いていく
だけど私は信じるべきなんだろうか

ただ夢を見ているだけだと

 

(繰り返し ★)

 

To leave the thread of all time
and let it make a dark line
in hopes that I can still find
the way back to the moment
全ての時間を繋ぐ糸から手を放し
暗い線を引かせてみる
その瞬間に戻る道を

見つけられるまで

 

I took the turn and turned to
begin a new beginning
still looking for the answer
I cannot find the finish
私は進む方向を変えて
新しいスタートを切る
まだ答えを探し続けているけど

ゴールは見つからない

 

It's either this or that way
it's one way or the other
it should be one direction
it could be on reflection
この道かあっちの道か
いずれにしても
目指す方向はひとつだけだから

熟考するかもしれない

 

The turn I have just taken
the turn that I was making
I might be just beginning
I might be near the end
さっき曲がったばかりの角や
過去に通った曲がり角
私はスタートしたばかりかもしれないし

終わりに近づいているのかもしれない

 

 

 

ちなみに「Anywhere Is」の日本版シングルには、1991年リリースの3rdアルバムに収録されてUKで10位のヒットシングル「Book of Days」も収録されています。

3分にも満たない短い曲の中にクラシックとケルト音楽とヒーリングとゴスペルの要素を取り入れたような感じで、こちらもエンヤを語る上で外すことのできない素晴らしい曲。

幻想的&天にも昇るような神聖な高揚感が感じられる名曲なので、まだ聴いたことのない方はぜひ聴いてみて下さい!

 

↓Youtube【Enya - Book Of Days (video)】